ものづくり補助金(16次)のポイント解説

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経営革新のための設備投資などに支援されるものづくり補助金の16次の公募要領が発表されました。ものづくり補助金は、中小企業等が応募できる経営革新のための設備投資を支援する補助金です。なにか新しい革新的な試みを検討されている場合には、ぜひ一度検討をされるのがよいかと思います。
締め切りは11月7日までと申請受付から締め切りまで2か月半と時間があるように感じられますが、検討から申請を考えるともうあまり時間はありません。お早めにご確認ください。
本編では、ものづくり補助金(16次)の概要についてポイント解説をします。

ものづくり補助金とは

ものづくり補助金は中小企業が経営革新のための設備投資を支援する補助金です。
16次の公募期間は7月28日に開始し、応募期間は8月18日(金)~11月7日(火)17時までになっています。

▶公式HP:ものづくり補助金総合サイト
▶16次の公募要領
▶とても分かりやすい公募要領(16次締切分)の概要版

補助金の特徴について

ものづくり補助金の申請枠とそれぞれの特徴、補助上限額、補助率について説明いたします。

申請枠と補助額の上限と補助率

ものづくり補助金は、中小企業等による生産性向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資を支援する補助金ですが、経営革新の目的・目標にあわせて申請枠があり、それぞれに補助率と補助上限額が決められています。
申請枠は、「通常枠」「回復型賃上げ・雇用拡大枠」「デジタル枠」「グリーン枠」「グローバル市場開拓枠」の5枠があります。

通常枠
概要 革新的な製品・サービス開発又は生産プロセス・サービス提供方法の改善に必要な設備・システム投資等を支援。
補助上限 750万円~1,250万円
補助率 1/2、2/3(小規模・再生事業者)
回復型賃上げ・雇用拡大枠
概要 業況が厳しい事業者※が賃上げ・雇用拡大に取り組むための革新的な製品・サービス開発又は生産プロセス・サービス提供方法の改善に必要な設備・システム投資等を支援。
※前年度の事業年度の課税所得がゼロである事業者に限る。
補助上限 750万円~1,250万円
補助率 1/2、2/3(小規模・再生事業者)
デジタル枠
概要 DXに資する革新的な製品・サービス開発又は生産プロセス・サービス提供方法の改善による生産性向上に必要な設備・システム投資等を支援。
補助上限 750万円~1,250万円
補助率 2/3
グリーン枠
概要 温室効果ガスの排出削減に資する取組に応じ、革新的な製品・サービス開発又は炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供方法の改善による生産性向上に必要な設備・システム投資等を支援。
補助上限 750万円~1,250万円
補助率 2/3
グローバル市場開拓枠
概要 海外事業の拡大等を目的とした設備投資等を支援。海外市場開拓(JAPANブランド)類型では、海外展開に係るブランディング・プロモーション等に係る経費も支援。
補助上限 3,000万円
補助率 1/2、2/3(小規模・再生事業者)

どのような投資に出る補助金なのか

ものづくり補助金は経営革新のための設備投資などに対する補助金ですが、ここでいう「経営革新」については4つの類型のどれかに当てはまることが条件になります。

経営革新の類型
・新商品(試作品)開発
・新たな生産方式の導入
・新役務(サービス)開発
・新たな提供方式の導入

ただ設備を購入したりシステムを導入するためだけでは、ものづくり補助金はなかなか採択はされません。投資をした結果、「革新的」な作用が働く場合に採択され、補助がされるものになります。
以下の投資・取組が補助の対象経費になります。

機械装置・システム構築費 ①機械・装置、工具・器具の購入、製作、借用に要する経費
②専用ソフトウェア・情報システムの購入・構築、借用に要する経費
③改良・修繕又は据付けに要する経費
運搬費技術導入費 運搬料、宅配・郵送料等に要する経費
技術導入費 知的財産権等の導入に要する経費
知的財産権等関連経費 特許権等の知的財産権等の取得に要する弁理士の手続代行費用等
外注費 新製品・サービスの開発に必要な加工や設計(デザイン)・検査等
の 一部を外注(請負、委託等)する場合の経費
専門家経費 本事業遂行のために依頼した専門家に支払われる経費
クラウドサービス利用費 クラウドサービスの利用に関する経費
原材料費 試作品の開発に必要な原材料及び副資材の購入に要する経費
海外旅費 海外渡航及び宿泊等に要する経費
通訳・翻訳費 通訳及び翻訳を依頼する場合に支払われる経費
広告宣伝・販売促進費 海外展開に必要な広告(パンフレット、動画、写真等)の作成及び媒体掲載、展示会出展等、ブランディング・プロモーションに係る経費

※補助枠によって適用の有無や全額補助の対象にならないものがあります。

ものづくり補助金の申請ができる事業者・要件について

ものづくり補助金の対象者や基本的な要件についてまとめました。ものづくり補助金は主に中小企業が申請できる補助金ですが、一部対象事業者や申請ができない場合があるので注意が必要です。

補助金に申請できる事業者について

ものづくり補助金は誰でも対象になるものではありません。
特に重要な、またよく質問をいただく部分をまとめました。

主な補助対象者
中小企業者(「中小企業等経営強化法」第2条第1項に規定するもの)、特定技事業者の一部(※1)、特定非営利活動法(※1)、社会福祉法人(※1)
※1 適用のためには別途要件あり
※2 個人事業主は対象になります

【中小企業者(組合関連以外)】について
資本金または従業員数(常勤)が下表の数字以下となる会社または個人

業種資本金常勤従業員数
製造業、建設業、運輸業、旅行業3億円300人
卸売業1億円100人
サービス業
(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く)
5,000万円100人
小売業5,000万円50人
ゴム製品製造業
(自動車または航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに
工業用ベルト製造業を除く)
3億円900人
ソフトウェア業または情報処理サービス業3億円300人
旅館業5,000万円200人
その他の業種(上記以外)3億円300人

主な補助対象外
財団法人、社団法人、医療法人及び法人格のない任意団体、
過去3年間に2回以上ものづくり補助金の交付決定を受けた事業者、
みなし大企業(大企業が株や出資をしている場合でその比率が高い場合など)、
同一法人・事業者が同一の締め切り会において複数申請を行っている場合、
補助の目的が同一又は極めて類似している事業の補助をすでに受けている場合、
直近過去3年分の各年又は各事業年度の課税所得の年平均額が15億円を超えている事業者

▶補助対象、対象外ともに上記はすべてを網羅しておりませんので、対象者の詳細についてはこちらのp8-11をご確認ください。

ものづくり補助金の基本要件について

ものづくり補助金の基本要件として、下記の要件を満たす3~5年の事業計画を策定している必要が荒ります。(付加価値額・賃上げ基本要件)

  1. 事業者全体の付加価値額(※1)を年率平均3%以上増加
  2. 給与支給総額(※2)を年率平均1.5%以上増加
  3. 事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30円以上の水準にする
    ※1 付加価値額とは、営業利益、人件費、減価償却費を足したもの。
    ※2 給与支給総額とは、全従業員(非常勤を含む)及び役員に支払った給与等(給料、賃金、賞与及び役員報酬等は含み、福利厚生費、法定福利費や退職金は除く)。

上記は「基本要件」になります。「回復型賃上げ・雇用拡大枠」「デジタル枠」「グリーン枠」「グローバル市場開拓枠」ではさらに要件があります(ここでは割愛します。詳しくはこちらのp.5-7をご確認ください)。

申請要件が未達の場合、給付された補助金の返還規定があります。

補助金を受給するまで、受給後の流れについて

多くの補助金にしているポイントにはなりますが、特に重要な点をまとめました。

補助金受給までの大事なポイント
・補助の対象になるのは採択後(交付決定後)に契約・購入したもの
・採択=全額補助が出るわけではなくその後も審査が続く
・交付決定後・補助金受給後も定期的に報告を行う

公募から採択まで

ものづくり補助金を申請するためには、決められた公募期間に申請をします。必要書類は、事業計画書や決算書、加点に該当することを証明する書類などを準備します。
公募の締切日以降に審査が始まります。早めに申請をしても早く結果がもらえるわけではなく、一斉に審査がされます。審査は書類審査になります。申請からだいたい2か月後(その公募回によってスケジュールは変わります)採択事業者(補助金交付候補事業者)が発表されます。

採択(補助金候補者発表)から受給まで

採択された後は、交付申請をし事務局から交付決定を受ける手続きをします。交付決定後、ようやく新事業を始めることができ、設備などの購入ができるようになります。交付決定通知日前に支出した経費は補助対象外になります。補助事業遂行状況報告書を途中提出し中間監査(確認)を受けることになります。事業が完了は実績報告書を提出、確定検査を受け、審査を経て補助金額が確定します。その後、補助金精算払請求を行いようやく補助金を受け取ることができます。

受給後

事業終了後も取得した財産の管理や実績報告を随時行うことになります。

審査のポイント

ものづくり補助金は、申請をすれば必ず採択されるものではありません。審査の結果、補助金の目的に沿った、また効果の高い事業計画が採択されることになります。以下の審査項目については10ページ程度の事業計画書にまとめて提出をすることになります。
審査の項目や加点になる項目については「公募要領」内で明確に記載されています。

審査項目について

とくに「通常枠」を中心に審査項目をまとめました。「回復型賃上げ・雇用拡大枠」「デジタル枠」「グリーン枠」「グローバル市場開拓枠」については、枠に応じて審査のポイントが増えるイメージになります。

①補助事業者としての適格性

基本的なところですが、補助対象事業者であるか、また「基本要件」を満たす取り組みであるかが審査されます。この部分はこちらで説明した内容になります。

②技術面

とても重要な部分になりますが、補助金を使用した投資・取り組みが、新製品・新サービス(既存技術の転用や隠れた価値の発掘(設計)・デザイン、アイディアの活用等を含む)の革新的な開発となっているかはという点は特にみられるポイントになっています。
これらについては、「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」または「中小企業の特定ものづくり基盤技術の高度化に関する指針」を参考にし、ガイドラインや指針に沿った取り組みであるかどうかも審査の対象になります。

開発段階で課題や目標が明確になっていてその課題への解決方法が明確かつ妥当かどうか、また既存技術や競合に対して優位性があるかどうかも審査されます。
また、これらの開発を行うことができる技術的能力が備わっているかもポイントになります。

③事業化面

どんなに素晴らしい事業計画も、“絵にかいた餅”に終わってしまったら意味がありません。取り組みを実行する能力があるかどうかも審査の対象になります。
例えば、組織体制(人材、事務処理能力、専門的知見等)設備購入や取組みを行うための財務状況や資金調達の可能性について、社外との連携体制などが確認されます。

また、この新製品・新サービスが市場ニーズに合っているか、また客観的な指標や事前のリサーチで事業化した際に利益が出る取り組みであるかも審査されます。競合他社との差別化や優位なポイントのアピールも必要です。
そして、これらの計画の実現可能性(例えば、遂行方法、スケジュール)が妥当かどうかも審査されます。当然ですが、“補助金ありき”な計画ではなく、この投資を行うことによる費用対効果についても審査対象となります。

④政策面

地域の特性を生かして高い付加価値を創出できるか、また地域の雇用の創出や経済的波及効果がある計画であるかが審査されます。また、ニッチ分野において適切なマーケティングがされ、独自性の高い製品・サービス開発、厳格な品質管理が行われているか、といった点からも審査されます。
その他にも低炭素技術、デジタル技術の活動など、国が力を入れて推進している項目が取り入れられているかなども審査されるポイントになります。

+「回復型賃上げ・雇用拡大枠」「グリーン枠」「グローバル市場開拓枠」の審査ポイント

各申請枠に応じて、「炭素生産性向上の取組等の妥当性」「グローバル市場開拓の取組等の妥当性」「大幅な地投げに取り組むための事業計画の妥当性」について審査されます。

加点について

ものづくり補助金(16次)では、投資・取組にあわせて決められた項目に取り組むことで加点がもらえます。この加点については、あくまで任意の項目であり、また内容によっては取れないものやハードルが高いものもあります。
加点には4つのカテゴリーがあります。

①成長性加点

有効な期間の経営革新計画の承認を取得した事業者

②政策加点

・創業・第二創業後間もない事業者
・パートナーシップ構築宣言を行っている事業者など、その他にも9つの項目があります。

③災害等加点

有効な期間の事業継続力強化計画の認定を取得した事業者

④賃上げ加点

・給与支給総額の増加、事業場内最低賃金の水準
・被用者保険の適用拡大の対象

採択の可能性を高めるためには

採択の可能性を高めるためには、審査項目を適切に盛り込み、短い審査時間の中で分かりやすく読みやすい事業計画書を作成することが第一になります。
また、採択の可能性を少しでも上げるためにできることとしては、事業計画書の精度を上げること以外にも「加点」を取る方法があります。この「加点」には「創業加点」のようにその時のステータスで決まるものもあれば、「賃上げ加点」など企業努力によって取れるもののほか、政府がその時推進したい項目に参加登録することによって取れる加点などがあります。

ものづくり補助金の公式ポータルサイトで発表されている統計データによると、
加点の個数が0個の場合の採択率は41.2%、1個:56.1%、2個:72.3%、3個:78.4%、4個:86.7%
と発表されており、加点が多ければ多いほど採択の可能性は高まることは見て取れます。
一度検討をされるのがよいかと思います。

ものづくり補助金の採択率は30%~60%。
1次から13次までで最も低かったのが4次の30.8%、最も高かったのが9次の62.1%です。ここ最近は60%程度の採択率が続いています。
ものづくり補助金の公式ポータルサイトで発表されている統計データを見ると、支援者(例えば認定支援機関や、中小企業診断士、行政書士、民間コンサルなど)が関与せず自力で申請される事業者様は約3割程度、残りは報酬の有無を問わず支援者が関与しているようです。支援者が無い場合の採択率は44.8%、支援者が関与する場合は60~70%の採択率になっています。

▶参考:ものづくり補助金公式ホームページ「データポータル

まとめ

以上、ものづくり補助金の16次の内容についてポイント解説をしました。
ものづくり補助金の申請は、①自社や行いたい投資(事業)が要件を満たしているかの確認、②事業計画書の作成、③加点の検討と取得、④申請作業に加えて、⑤無事に採択された後も実際に補助金を受け取るまで手続きが続きます。
初めての補助金申請の場合には、想像以上に時間が取られることも多く、また実際に補助金を受け取るまでが一連の手続きということもあり、不安が付きまとうのではないでしょうか。当事務所では、ただ手続きのサポートを行うだけでなく、補助金制度の説明や、ご希望があれば採択後、補助金交付後の申請や実績報告などもサポートをしております。
ものづくり補助金の申請手続きでお困りの方は、当事務所に一度ご相談ください。

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ネクステップ行政書士事務所では、ただ手続きのサポートを行うだけでなく、補助金制度の説明や、ご希望があれば採択後、補助金交付後の申請や実績報告などもサポートをしております。

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